対応方法

J:COM(ジェイコム)テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定は必要か?断っても拒否してもOK?実際は訪問営業の口実なのか

マンションやアパートなどで、ケーブルテレビ会社大手のJ:COM(ジェイコム)から、「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定のお知らせ」が届くことがあります。安定した電波を提供するためには、端子交換と出力レベル測定が必要だから、作業希望日を連絡せよ、という内容です。
はたして、これは本当に必要な作業なのでしょうか?

もくじ

お知らせの内容

「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定のお知らせ」の内容は、J:COM各地域会社により細かい内容に違いはありますが、おおむね以下の通り。

皆様お住いの「○○マンション」にはケーブルテレビ導入が完了しており、現在はJ:COM ○○局から地上波放送を全世帯にお送りしております。
安定した電波を提供するために、壁面のテレビ端子(ノイズカットフィルタ内蔵)の交換作業と電波出力レベル測定作業を実施させていただくことになりました。
つきましては、各部屋での作業を実施するので、本作業の趣旨にご理解・ご協力を賜りたい。

お知らせは以上のような内容で、各住戸のポストに投函されます。
そして、同封されている希望日調査票に氏名や電話番号、作業希望日や時間帯などを記入して、FAXするか電話で連絡するか郵送してくれとあります。連絡しない場合には、各住戸を担当者が訪問して希望日調査票を回収します。

管理会社・管理組合・物件オーナー・URなどとの関係は?

この「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定のお知らせ」は、分譲マンションの管理会社や管理組合、賃貸物件の管理会社やオーナーなどとの契約に基づいて実施されているようです。
そのため、マンションなどの共用掲示板に「J:COMが作業するので入居者は協力してください」などと掲示されていることもあります。
建物全体の地上波放送の電波送出をJ:COMが担当することで、宅内でのレベル測定作業や端子交換作業をJ:COMが堂々と実施できるのです。

希望日調査票の書き方・送り方

希望日調査票には、物件名や部屋番号、名前や電話番号を記入し、さらに作業希望日と時間帯を第1希望から第3希望まで記入します。提出方法は、FAXか電話、返信用封筒、担当者による訪問回収のいずれかしかなく、メールやLINE、ウェブ上などからの連絡方法はありません。
FAXも電話もしないでいると、担当スタッフが訪問してきて回収します。希望日調査票を記入していなければ、その場で申し伝えることになります。

FAXなど使っていない人も多いでしょうし、電話でいちいち名前や物件名などを伝えるのもかなり面倒ですが、なぜかメールやLINEは全く使えませんし、ウェブ上での申込にも対応していません。さらに、連絡しないで放置すると、自宅に何度も訪問してくるという、かなり残念な対応です。断ろうとしても、連絡するには結局電話かFAXしか連絡手段が用意されておらず、時代錯誤の仕組みです。

電波出力レベル測定は必要か

そもそもこの電波出力レベル測定というのは、必要な作業なのでしょうか。
お知らせをよく読むと「希望者の部屋での作業」と書かれています。全世帯にお知らせしてはいるものの、作業してもらうのは居住者の任意なのです。
つまり、これを読み解くと、電波出力レベル測定をしなくても、居住者にとっては何の問題もないということです。

実際問題として、電波出力レベルに異常があればテレビが映らなくなったり画面にノイズが入ったりするため、そうなったときに入居者や居住者が管理会社などに連絡して対応してもらえば済む話であり、定期的に電波出力レベルを測定をしてもらう必要性は入居者や居住者にとってほぼありません。

テレビ端子交換作業は必要か

それでは、もう一つのテレビ端子交換作業は必要な作業なのでしょうか。
お知らせでは電波出力レベル測定と合わせて、安定した電波を提供するためにテレビ端子交換作業も必要であるかのように書かれています。作業時間は約20分かかるとの具体的な記載や、作業手順を写真付きで説明したチラシも添付されるため、あたかも全住戸一斉にテレビ端子交換作業をするかのように錯覚します。

こちらについても、結論から言うと、交換する必要性は入居者・居住者にとってほぼありません。交換しなくてもテレビが問題無く見られるのであれば、そのままで大丈夫なものです。
もしテレビの映りが悪くなるようなことがあったら、そのときの対応としてテレビ端子交換も選択肢としてあり得る、程度のものです。

ただ、古いタイプのテレビ端子が使われている場合には、ノイズカットフィルタ内蔵型テレビ端子に交換となるケースもあるので、築年数が古い建物などでは、一度チェックしてもらってもいいかとは思います。なお、この場合の交換作業についてはJ:COMが費用を負担するそうなので、ここで料金を請求されることはありません。

作業日当日

通常は、電波レベル測定作業などを担当するスタッフと、案内や説明などを担当するスタッフの、2名体制で来ます(1人のときもあり)。
ちなみに、この訪問してくるスタッフはJ:COMが委託している外部企業の人であることがほとんどです。

まずはリビングのテレビ端子で測定作業を始めます。住戸内の各部屋などに複数の端子があったとしても、全て測定するわけではなく、あくまでリビングなどにあるメインの端子1つでしか測定しません。
そして、測定が完了すると、その測定結果をその場でプリントアウトして手渡されます。当たり前ですが、テレビが問題無く映っているのであれば、電波レベルも正常なので、測定結果を見るまでもありません。プリントアウトされた測定結果は捨てても問題ありません。

テレビ端子交換作業もするとお知らせに書いてあったとしても、実際に交換することは滅多に無いようです。確かに、テレビが問題無く映るのですから交換する必要もないわけですが、「テレビ端子交換作業をするからと時間を取って待っていたのに、電波レベル測定しかしないのか」という残念な流れとなるわけです。「作業時間20分」と言いつつ、実際にはわずか10秒程度で電波レベル測定作業だけが終わります。

このあと、J:COMのサービスについて説明を希望するかどうか、それとなく聞かれることがあります。その場ではセールスを受けることは無いようですが、説明を希望すると、営業担当社が後日訪問して説明を始める、という流れです。
もちろん、説明を希望しないのであれば、作業のみで終わりとなり、スタッフはすぐ帰ります。しつこいセールスを無理やり受ける心配はありません。

ちなみに過去には、作業と合わせてJ:COMのサービス案内(という名の訪問営業・点検商法)が始まることもありました。ここに20分という時間の大半が割り当てられます。テレビや固定電話、インターネット接続などをセットで契約するとお得であると説明されたり、最近では電気の切り替えを促したり、格安スマホを案内されたりもするようです。
興味があれば話を聞くなりパンフレットをもらうなりすれば良いのですが、興味が無いのであれば無理して話を聞く必要もありません。テレビの多チャンネルならスカパー!のほうが安いですし、インターネット接続なら光回線を引いた方が安いです。「セットで契約するとお得」と言っても、そもそも一つ一つのサービスが割高なので、セットにしても普通の料金になるだけです。

結局、この「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」に対応する必要なのか?

あらためて、これら「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」は必要な作業なのでしょうか。
結論を言うと、入居者・居住者に取ってみれば、わざわざ時間を取って作業に来てもらう価値や必要性はほぼありません。テレビの映りに異常があれば、その際に管理会社などに連絡すればいいのであり、わざわざ定期的にチェックしてもらう必要性など無いのです。

お知らせの用紙に「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」を実施すると書いてあっても、電波出力レベル測定は必ず実施しますが、テレビ端子交換作業についてはあくまで必要に応じて交換するのみです。「わざわざテレビ端子交換作業をすると書いてあるから、絶対に来てもらわないといけないのかな」などと勘違いしないように注意が必要です。築数十年レベルの古い物件で無い限り、交換が必要となるケースはあまりありません。

また、ある元関係者の人にも聞いてみたところ、「正直に言うと、電波出力レベル測定をする必要性は無い。また、なにも異常が無いのにテレビ端子交換作業をすることもまず無い。測定や交換作業は、訪問セールスや案内するための口実というのがこれまでの現実だ」と話していました。実際に、過去にはこのような形で営業活動をしていたこともあるようですが、現在では作業と称してその場でセールスを始めることは無いそうです(あくまで、案内を希望すれば後日訪問して説明する、という形)。

もちろん、電波出力レベル測定をした結果に異常があれば、テレビ端子交換作業を実施したり、共用部の設備や保安器などを調整するなどの対応が必要となることもあるでしょうから、全く意味が無いということもありません。また、古いタイプのテレビ端子が付いていれば、新しいタイプのテレビ端子に無料で交換してくれるケースもあります。しかし、先に書いた通り、異常があればテレビの映りが悪くなるなどの現象が起こるわけで、その時点で入居者や居住者が管理会社などに連絡するはずであり、定期的に測定する意味があるのかというと大きな疑問が残るところであります。

つまり、J:COMから「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」のお知らせが届いたときは、時間があれば暇つぶし程度に協力してあげてもいいかもしれませんが、テレビの映りに問題がなければ、基本的には断っても何ら問題無いということになります。

「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」を断る方法

やっかいなのが、「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」を断る方法が明確に提示されていないことです。
あたかも全住戸一斉に、強制的に作業をするかのようなお知らせ内容となっているのですが、よく読めば作業は希望者のみであり、あくまで任意であることが書かれています。
また、「希望日調査票」を提出するにはFAXか郵送のみというとても高いハードルがあり、そうでない場合も日中の時間帯に電話せよという、時代錯誤の連絡手段しか用意されていません。

運良くFAXが使える環境にあれば、「希望日調査票」に建物名と部屋番号だけ記入して、あとは「作業を希望しません」とでも書いて送信すれば良いでしょう。しかし、これだと断るためのFAXを送信するために電話代が無駄にかかるという苦難に立ち向かう必要があります。
郵送ならば電話代がかかることはありませんが、記入した用紙を封筒に入れて封をし、郵便ポストまではるばる行って投函するという苦行が待ち受けています。
電話で連絡するならば、携帯電話会社の通話定額プランを使うことで、追加で費用を掛けること無く連絡はできます。しかし、朝9時から夜6時までというお役所並みの営業時間内に電話する必要があるうえ、電話口で「断る」という精神的苦痛を味あわされます。

そして、連絡しないまま放置すると、こんどは「訪問回収」と称してJ:COMの担当者が各住戸を直接回り「希望日調査票」を回収しに来ます。ここで記入していなければ、担当者が口頭で希望日を聴取します。この時点で口頭で断れば済みますが、面と向かって断れないような気が弱い人は、うまく断れずに希望日を聴取されてしまうかもしれません。

つまり、「連絡せずに放置しておけば済む」という選択肢が用意されていないのです。いずれかの方法で明確に断らない限り、J:COMからのアプローチが止まらないのです。
今の御時世に、ウェブ上からも連絡できず、メールやLINEでの対応窓口も無いという、非効率極まりない通信手段を押し付けるJ:COMの手法に対抗するには、費用や時間を消耗してでも能動的に行動して断るしか無いということです。

サービス案内、セールスは聞く必要無し?

断りきれずに「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」に来てもらうことになった場合でも、希望した時間帯に在宅していなくてはならないという苦行が待ち受けていますが、作業自体はすぐに終わります。電波出力レベル測定のみなら数分で終わります。※ちなみに、「テレビ端子交換作業」もやると案内しておきながら、実際に交換を実施するケースはまず無いらしいです。あくまで、電波出力レベル測定の結果に異常があれば、テレビ端子交換作業も行うこともある、という程度の話らしいです。だったらお知らせの紙にそう書いておけと思いますが。

J:COMサービスの案内をその場で希望してしまうと、営業担当が後日訪問してセールスが始まります。
J:COMには、多チャンネルが見られるテレビサービスや、基本料金が抑えられる固定電話サービス、固定回線(+宅内Wi-Fi)のインターネット接続サービス、セット契約でおトクになる電気、何かと話題の格安スマホ、などの生活に役立つさまざまなサービスが存在します。

ちなみに以前は、スタッフが作業しながら入居者と雑談っぽく話し始め、「プロ野球とか観ますか?」「家族の携帯電話の料金って高くないですか?」「電気料金を安くできるって話は聞いたことあります?」などと探りながら、その場でJ:COMの各サービスの案内を始めていたらしいですが、最近はいろいろ問題視されることもあるからか、作業と営業活動を切り分けてやるようになったらしいです。

もちろん、興味があれば話を聞いたり詳しい資料をもらえばいいですし、J:COMならば電話サポートや訪問対応も充実していますから、多少割高でも許容できるのであればJ:COMの各サービスを契約するのも悪くはありません。

しかし、J:COMの各サービスにそもそも興味が無いということであれば、もちろんセールストークに付き合う必要性は全くありません。もし何かしら案内をされたとしても、「J:COMのサービスには興味はない。利用する気も一切ありません」とはっきり断れば、それ以上何も言わずに帰るはずです。

この記事について

この記事は、J:COM(ジェイコム)の各営業所が実施している「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」のお知らせが届いた場合の対応方法を説明したものです。また、この「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」は、希望者のみ受けることができる作業であり、希望しない場合にはどのように対応すればよいかについても解説してあります。J:COMがあらかじめ導入されている集合住宅においては、地上波放送を安定して提供するために「テレビ端子交換作業・電波出力レベル測定」をできるだけ実施したいと、J:COMは考えているそうです。
この記事では、J:COMの各サービス(テレビ・固定電話・インターネット・電気・格安スマホ・ガスなど)の善し悪しについては言及しておりません。

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